PROFILE 建築家プロフィール

八木 康行

八木 康行

Yasuyuki YAGI

所属
ステュディオエイトアーキテクト
所在地
〒650-0021 神戸市中央区三宮町3-9-8 33-Bldg.3F
TEL
078-327-2480
FAX
078-327-2481
Mail
info@studio-8-arc.net
HP
http://www.studio-8-arc.net/
経歴
‘62年 兵庫県神戸市出身
‘87年 千葉大学工学部建築工学科卒業
‘89年 千葉大学大学院工学研究科修了後 南條設計室を経て
‘98年〜ステュディオエイトアーキテクト設立
‘07年〜関西大学環境都市工学部非常勤講師

日本建築家協会登録建築家/一級建築士/CASBEE建築評価員
特殊建築物等調査資格者/ 応急危険度判定士

第8回くすのき建築文化賞
第11回兵庫県人間サイズのまちづくり賞(知事賞)
日本建築家協会優秀建築選 2009
KOBE SHOP DESIGN AWARD 2009
GOOD DESIGN EXPO 2009 出展

W0RKS 実績紹介

姫路の家: 中庭を介した介護空間の創出

この住宅のクライアントは、ご主人が体の自由を次第に奪われる進行性核上性マヒという難病を患った70代のご夫婦である。動線や水廻りとの位置関係といった主要なゾーニングやプランニングは、介助、介護、歩行訓練などのリハビリを第一に念頭においた設計としている。中庭を取り囲むように浴室、WCの水廻りを附設した就寝介助ゾーンとしての主寝室、日常生活ゾーンとしての広めのダイニング、キッチンを配し、収納ゾーンをかねた廊下と中庭を通り抜けるテラスをそれぞれの部屋につなぐことで回遊性のあるプランとし、リハビリにも活用できる動線を確保している。玄関脇の和室を接客用の空間と位置づけ、法事等の親族の集まりなどに対応できるようリビング空間としてのダイニング、キッチンと一体的に利用できるよう建具で緩やかに区画している。将来的には子供世帯との同居などのライフスタイルの変化にそなえ、南側敷地を活用した増築の余地を残した可変性の高い住宅としている。空間的には片流れの屋根をかけて天井高さに変化をつけることで、縦の空間を活用しながら通風/採光を確保し、建て替わる前の2軒長屋の暗いイメージを払拭することに心を砕いている。

撮影:杉野 圭

芦屋の家:圧倒的な眺望と自然がとけ込む空間の獲得

この住宅は、六甲山裾の小高い敷地に位置する。大阪方面に向かって東に大きく視界が開けるその圧倒的な眺望を如何に住宅内部に取り込むかが大きなテーマとなった。また夫婦各々が日々開業医として多忙を極めながらも、お互いの趣味(車とオーディオ)と生活リズムを尊重しながら、休息の場としてくつろげるような住空間が求められた。形態的には二つの個性的なボリュームが採用され、沿道からは殆ど開口が伺えないような防犯性の高いデザイン操作を行っている。
2階はパラペットが伸びやかに螺旋状に立ち上がる勾配屋根を持つ大きな円弧を描くボリュームが与えられ、基壇となる1階は対比的な矩形のボックスの中にダイニング等の諸室が設けられている。この家の中心となる2階中央のリビングには、東面に大開口部を切り取り、遙か彼方までの視界を確保した。そのフルオープンの窓を開けると、内に居ながらにしてあたかも風景と一体となる住空間が生まれる。小さな中庭やトップライトから内部に差し込む刻々と変化する光によって、季節や時の移ろいを刻むくつろぎの間でもある。

撮影:平 剛

亀山の家:小さな場をつなぎ合わせた住宅

市内の畑地に新しく出来た新興住宅地の一角に建つ若いご夫婦と生まれたばかりの男の子の住宅である。
小柄な施主夫婦にあわせたスケール感の中で、小さな場をつなぎあわせ、様々な生活場面で家族が仲良く過ごせ会話が弾みコミュニケーションを誘発できる住まいになるよう試みている。また生活の廻りにある様々なモノが、さりげなく人に寄り添うような距離感になるよう、書棚やカウンターや収納などを住空間の中にちりばめるように配置している。趣味であるバンド活動や料理読書、育児などを気ままにしながらも、家族お互いが気配を感じ取れ、一人一人がお気に入りの居場所を見つけることが出来る住宅になったのではないかと思う。
建物配置は南側住戸に敷地南面をふさがれているため敢えて90度西に向いた住まいを提案している。外部空間は玄関と浴室空間を小さなボリュームで張り出し、リビングに面して三方を取り囲むタイルテラス仕立ての中庭を設けている。外観は妻屋根を連ね分節させることで軒高を押さえた小ぶりなボリュームでまとめているが、内部空間は吹き抜けのある豊かなものになっている。

撮影:岡田大次郎  協働設計者:野々山稔

MESSAGE メッセージ

いつもプロセスと結果を大切にしています。

まずクライアントの方にはプロセスを楽しんで欲しいと思っています。
誰もが一生のうちで、唯一無二のすまいをつくるチャンスに出会えるわけではありません。ちょっと面倒くさいこともあるかも知れませんが、きっと一生の思い出に残るような体験があなたを待っていると私は確信しています。

すまいは日々の生活を支え、家族の記憶を受け継ぎ、そして新しい命を育む器となります。自然と光と風に包まれた五感に響く空間は、生きるための活力と安らぎを与え、豊かな暮らしをクライアントにもたらします。

納得いくまで議論を尽くすことで、あなたもあなただけのすまいを手に入れて下さい。最後までとことんお付き合いします。
それが私たち建築家のミッションです。

MASTERPIEACE 代表作

’02 花屋敷の家、松陰の家
’03 三木の家
’04 茨木の家
’05 姫路の家-I、仁川の家
’06 世田谷の家、梅田の家
’08 芦屋の家
’09 豊田の家、塩屋の家
’11 姫路の家-Ⅱ
’12 伏見の家
’13 亀山の家