PROFILE 建築家プロフィール

石上 芳弘

石上 芳弘

Yoshihiro Ishiue

所属
YIA イシウエヨシヒロ建築設計事務所
所在地
〒596-0845 岸和田市阿間河滝町1572
TEL
072-427-6976
Mail
yia@ishiue.com
HP
http://www.ishiue.com/
ブログ
https://yiablog.hatenablog.com/archive
経歴
1974 愛媛県生まれ
1993 愛媛県立松山北高等学校 卒業
1998 近畿大学理工学部建築学科 卒業
2000 近畿大学大学院工学研究科建築学専攻 修了
2000 設計事務所 勤務
2005 イシウエヨシヒロ建築設計事務所 設立
2006 日本理工情報専門学校 教育課程編成委員
2015 近畿大学建築学部 非常勤講師

1998 建築学生・設計大賞 優秀賞受賞
1998 日本建築学会学生設計競技 支部入選
2002 ART BENCHI-ING 入選
2010 リフォームデザインコンテスト 審査員特別賞
2010 TDY リモデルスマイル作品コンテスト 優秀賞
2011 住まいのリフォームコンクール 優秀賞
2012 インテリアコーディネションコンテスト 優秀賞
2013 インテリアコーディネションコンテスト 部門賞
2017 AICA施工例コンテスト2017 優秀賞
2017 インテリアコーディネションコンテスト 優秀賞
2021 古民家リノベコンペ 優秀賞
2021 里山空間デザインコンペ 最優秀賞
2022 キッチン空間アイデアデザインコンテスト 最優秀賞

W0RKS 実績紹介

ZUTOCHI

 初めに施主から伝えられたコトは「住宅地なんですけど…雑木林に囲まれた様な空間で生活したい…」と言う事でした。非常にシンプルな外観を求められていて、派手ではなく落ち着いたキューブ型のデザインが好みとの事でした。そこで、プライバシーの高い空間を纏めた三つの箱を敷地に散り散りに配置し、その隙間に緑豊かな雑木林を作っていく事にしました。その雑木林に囲まれる場にガラスで区切られた屋根が架かったスペースをLDKとしています。LDKの天井は他の居室よりも高く、より開放的な空間として三方に緑を愛でることができます。改めて考えてみるとクライアントが求めていた緑は決して庭ではないことが、とても重要な事だったと感じます。対峙する関係ではなく、囲まれ包まれる様な関係を作りたかったのだと思います。この思いへのアプローチは上手く機能し、住宅地の中という環境に本当に緑の中で生活しているような感覚を得られていると思います。

YAMANARI

 徳島の特産品である「すだち」を生業にしている農業一家の若夫婦のための住宅です。高台に位置し幸にも外部からの視線が全く気にならないので、極めて解放された空間を作ることができました。リビングを2階に配置、また半階上がったところに畳コーナーを設けて場所によって違う視点高さで見渡せる山の緑を大窓で取り入れています。また隣に建つ母屋と穏やかな関係を作りたくて、内と外の境界が曖昧な大きな土間スペースと吹き抜けた階段室を設けています。南側に当たる母屋に面した2階の吹抜けには窓を取らない事で母家とは程よい距離感を持ち、天窓によって木漏れ日のように光が降り注ぐ明るい空間になりました。1階土間スペースは引き戸を開ける事で母家と一続きとして使うことも可能です。山深く自然豊かで緑に囲まれた環境をできる限り取り入れながら、そして負担にならない程度にその美しさに気づく瞬間が得られるような空間を提案したいと思いました。

HE10

 この眺望をどのようにして効果的に生活の一部に取り込んでいくのかというのが最大のテーマだった。2階にLDKを配置することとし、将来の周辺環境の変化や景色を取り入れるためにも高度を確保するには最適だと考えた。全面道路のL字路に面している旗竿地の竿の部分に玄関ホールを配置し道路からの視界が抜けるように透明感のある空間とした。縦に切り取った景色に対し階段を交差させ視線の変化を誘導することで、LDKの眺望に期待を感じさせる装置として機能させている。階段を登りきれば天井と壁の切り込みからLDKに接続する。天井の高い空間にL型に配置した額縁を持つ奥行きのあるバルコニーは、立体的に効果的に景色を切り取り引込む。奥行きのあるバルコニーには、入側縁から外縁へという日本的関係性を作ることで内部から外部に向かって緩やかな連続性を築いている。天井は変形したイエ型で登梁を現しで仕上げている。

MESSAGE メッセージ

 人々の関係や状況など営みのアウトラインを建築として顕在化させたいと思っています。その過程で否応無しに外部が必要であり、自然を最たる対象として捉えています。さまざまな関係性や偶発的な状況を整理し再構築する過程で自然との距離感から必然的に内側の領域を感じることができる空間を作っていきたいと思います。