PROFILE 建築家プロフィール

井戸 健次

井戸 健次

Kenji Ido

所属
井戸健治建築研究所
所在地
〒649-0151 和歌山県海南市下津町曽根田22
TEL
073-492-3338
FAX
073-492-3338
Mail
info@kenjiido.com
HP
https://kenjiido.com/
経歴
1972年 和歌山県生まれ
1995年 神戸大学工学部環境計画学科卒業
1997年 神戸大学大学院修士課程修了
2003年 井戸健治建築研究所設立
2019年 グッドデザイン賞受賞(結崎の住宅)
2022年 グッドデザイン賞受賞(太田の住宅

W0RKS 実績紹介

太田の住宅

この住宅は、夫婦と3人の子供の為の木造平屋建ての住宅である。
敷地は開発とともに広がっていった市街地が周辺部で農地(水田)とせめぎ合っている境界に位置し、かつての水田を宅地開発した場所である。南西側には大門川が流れており、川沿いは桜並木になっている。
施主は平屋の建物を要望した。
建物は敷地形状にならって中庭を囲むようにジグザクに配置した。
「プライバシーを確保した上で、如何に自然光を室内に取り込むのか?」
「建物の外形と内部空間が一体となった、美しい光の取り入れ方とはどういうものか?」を考えた。
プライバシーの確保から、道路側のアイレベルは最小限の開口にし、中庭に向けて大きな窓を設けたが、その中庭も高い壁によって完全に周囲からは閉ざされている。
外観上、特徴的なノコギリ屋根の下には、その形そのままの空間が広がっており、彫刻的な空間が連続している。
内部空間は、ディテールの表現が最小限にとどめられ、広幅のアッシュ(タモ)の床と白い壁と天井にハイサイドライトから陽射しが降り注ぐ。
季節により太陽の南中高度が変わるので、冬にはハイサイドライトからの陽射しが天井面に反射し、レフ板の様に室内を照らす。
玄関から廊下、リビング、ダイニング、子供室へと中庭を横に見ながら、空間が蛇行して連続してゆく。
床から斜めに付き出した出窓からは、春には大門川沿いに咲く桜を望むことができる。
洗面脱衣室にもハイサイドライトが設けられ、ガラスのスクリーンを通して浴室まで陽射しが降り注ぐ。
工業建築物を思わせるようなノコギリ屋根のこの住宅は、白い彫刻の様だ。

写真家:笹の倉舎 / 笹倉洋平

玉津の住宅

この住宅は夫婦と2人の子供の為の木造3階建ての住宅である。
敷地は大阪市の市街地で、面積わずか43.21㎡(約13坪)の狭小地である。敷地周辺は、少住宅や、町工場や、小さな事務所ビルが調和なく共存している地域である。この敷地に建っていた建主の以前の住宅は木造2階建で、近隣も密集しており、住宅の中に光が入らない状況だった。建主は、柱や耐力壁のない、できるだけ広いリビング・ダイニング・キッチンを要望し、住宅の中に、特に家族が集まるリビング・ダイニング・キッチンに自然光が入ることを望んだ。
まず、敷地面積が狭いことから、建物のヴォリュームは可能な限り敷地いっぱいとった。建主の生活スタイルから1階には夫婦の寝室・水周りを、2階にはリビング・ダイニング・キッチンを、3階には子供達の部屋を、そして屋上にはルーフテラスを配した。構造上2階の道路側には大きな窓は開けられなかった。そこで3階のヴォリュームを建物の軸に対して14°振り、建物の外壁との間にできる隙間を吹抜けとした。その吹抜けの上部にはトップライトを設け、2階のリビング・ダイニング・キッチンに自然光を落とすことにした。
また3階の平面上14°振った2つの壁の内一方は、垂直に対しても傾かせ、階段と重なる部分は折り返され、折り紙やファセット(彫面)の様になっている。この傾いた壁は、「当たり前さ」からの逸脱により人の感覚を自由にし、と同時に、その傾きの触覚や反射する光は新しい身体の感覚を誘発する。
建物は近隣の建物とは完全に異なった白い箱である。その建物に14°振った3階の筒状のヴォリュームが貫入したような外観になっている。
吹抜けには片持ちの箱型階段が浮かんでいる。

写真家:笹の倉舎 / 笹倉洋平

井ノ口の住宅

この住宅は夫婦と1人の子供の為の木造2階建の住宅である。
敷地は旧熊野街道沿いに位置し、元農家の建て替えである。
施主は、ペットを自由に遊ばせることができる中庭があり、切妻屋根の勾配天井の建物で、敷地北東側の施主の農地に向かってLDKから眺望が望めることを要望した。
建物は、約56°勾配の切妻屋根が2棟平行に走っている。この2棟の切妻屋根は平面グリッドに対して約26°斜めに回転しており、LDKから敷地北東側の農地への眺望が確保され、敷地北西側には駐車場が確保された。妻部分は平面グリッドの直交ラインによって切り取られた形状となっていて、その結果として生じる複雑な形状の屋根の下には、その形のままの彫刻的な空間が広がっている。
西側道路側には窓を設けず、各居室は中庭に開かれていて、浴室も同様に中庭に開かれている。プライバシーは中庭を取り囲む高い壁によって確保されている。
内部空間は、ディテールの表現が最小限にとどめられ、光の移ろいが映し出されるミニマルな空間となっている。

写真家:笹の倉舎 / 笹倉洋平

MESSAGE メッセージ

まるで彫刻の中にいるかの様な、自然光の美しい空間を創ります。
私は自然の中に生きているということが実感できるような建築を目指しています。
建築によって、普段気にも留めない光の美しさ、移ろいに気付く時があります。
建築は光、構成、素材によって感覚を誘発します。また「当たり前」と思っていることを再考することによって、新たな空間の豊かさ、感覚の新鮮さ、静謐さを目指しています。

MASTERPIECE 代表作

2010年 House F
2012年 玉津の住宅
2018年 長居東の住宅
2018年 結崎の住宅
2020年 太田の住宅
2022年 井ノ口の住宅