敷地は姫路城の北西部に位置し、閑静な住宅地の一角にある。敷地の東側に、八丈岩山という岩山があり、その岩山の緑を建物に取り込むことを第一に考え計画を進めた。
平面計画を、1階にガレージ・浴室と主寝室を配し、眺めのよい2階にリビング・ダイニング・キッチンを設け、一室空間とした。
東側に設けたデッキテラスを介して、外部空間と内部空間が一体になるように、開口部を全開にした。
緩やかな切妻屋根の垂木表わしの天井が、優しく家族を包み込み、木の温もりと、四季の移り変わりや、風・光など、家族が自然を楽しみながら暮らせる気持ちの良い住まいを目指した。

敷地は、閑静な住宅地にあり、全面道路（坂道）に面する北西側以外の3方向を隣家に、囲まれている環境にある。
まず、地階扱いの車庫は、坂道からスムーズに出入りできるよう、前面道路に対して角度を付けて配置した。それによって、敷地に生まれた空地が来客用駐車スペースとなり、建物自体も道路よりセットバックした事で、街並みに対し緑地を提供している。
内部計画は、車庫の向きによって直上階は南をむき、直下に車庫のある1Fと基準1Fとに生じるレベル差を利用した、スキップフロアの各スペースが、南側の庭を囲むように配置され、どのスペースからでも日照や庭への眺めを確保し、場所ごとに庭との関係が築かれている。坂道を登ってくる足取りのまま地階から1F、2F、ルーフテラスまでが緩やかに繋がりこの連続性が「流れ」のある空間を生み出している。この流れは外観の形態にも反映されており、ルーフテラスからは南西方向に、淡路島までの景色を一望することが出来る。一方で、この流れの裏側では家事動線が合理的に繋がり、使い勝手の良い配置となっている。

敷地は千里ニュータウンに位置し、近くに桜の公園や北摂の山並みを眺望できる閑静な住宅地である。旗竿敷地の間口3m、奥行15mの竿の部分にアプローチ、車2台の駐車場と駐輪場を配置し、奥の旗の部分に建物を計画した。
建物の平面計画を、敷地からの壁面後退線1.5mの敷地形状に合わせた台形の平面とし、敷地に馴染ませた。眺めの良い２階にキッチン、ダイニング、リビングの一室空間と子供室を配し、どこからでも風景を楽しめるようにした。
階段を挟んで廃したガラス張りの子供室と一室空間が繋がり、家族がどこにいても気配を感じ、安心感を与える。庭い植えられた緑や、光や風などの自然と、美しい風景を楽しみながら暮らせる住まいである。