PROFILE 建築家プロフィール

長谷川 総一

長谷川 総一

Soichi Hasegawa

所属
長谷川設計事務所
所在地
〒661-0977 兵庫県尼崎市久々知3-25-1
TEL
06-6493-6726
FAX
06-6493-8760
Mail
hsgarch@yahoo.co.jp
HP
https://www.hsgarch.jp/
経歴
1956 横浜市出身
1979 京都工芸繊維大学工芸学部住環境学科卒業
1992 長谷川設計事務所設立
1992 21世紀KOBEの住まいコンクール優秀賞
2002 E・家・暮らし住まいの設計コンテスト佳作
2003・2009・2011 くすのき建築文化賞コンクール 優秀建築賞
2004・2009・2016 日本木青連木材活用コンクール住宅部門賞
2004 まちなみ住宅100選 住宅月間中央イベント実行委員会委員長賞
2006 E・家・くらし住まいの設計コンテスト 優秀賞
2007 第10回日本木青連木材活用コンクール 木材青壮年連合会会長賞
2007 塗り壁のある風景コンテスト 最優秀賞
2011 平成23年度日事連建築賞 奨励賞
2011 大阪ガス 住宅設計アワード2011 最優秀賞
2014 第2回リフォーム・リノベーションコンクルール 戸建部門 最優秀賞
2014・2015 第1・2回吉田桂二賞 入賞
2016 第60回大阪建築コンクール 大阪府知事賞
2018 第1回JIA KINKI住宅賞 住宅部会審査委員賞

W0RKS 実績紹介

雲井町の家

敷地は閑静な住宅地にあり一区画が大きく、敷地の周囲には20年以上経つ高さ6、7m位に育った木々が茂っていた。近くの山への眺望を生かし、2階をパブリックスペースと水まわり、1階をプライベートスペースとしている。1階に個室をとることで、壁量が確保でき構造的にも有利になり、2階の居間、食堂、台所、プレイルーム+ロフトの9.1m×9.1mの大空間を可能とした。大きい空間は障子を引き出すことで、時に応じて4つの室に分けて使うこができる。建物の外壁は全面杉板の鎧貼りとし、道路面の塀は目透かしの縦貼りとした。鎧貼りの外観は人に郷愁を感じさせ、街に落ち着きを与えている。軒先は四周1250mm出すことで夏の高い日差しを遮り、冬の低い日差しを室内まで取り入れ、雨・風・直射日光から木の外壁・木製サッシュを守っている。 春には2階玄関を出ると山桜の花が手に触れるところまで伸びて、初夏には黒い杉塀に白いナニワイバラが咲き、秋にはモミジが紅葉し、冬には薪ストーブに火が灯る。街中で生活していることをひと時忘れさせ、四季の移ろいを感じさせてくれる住まいである。

広陵町の家

敷地は奈良県の閑静な住宅地。道路面から1.6m~2.2m上がる敷地の高低差を利用し、北の駐車スペースを建物の下に取り込み、南に大きなデッキのある庭を確保した。
隣の建物よりも道路にせり出すため、地階、1階の階高を抑えて2階を南に後退させ、3層でありながら街に調和するように道路からのボリュームを抑えた。道路から見えない南のスペースはプライベートな大きな庭となり、暮らしを豊かに彩っている。
住まい手は7人家族。皆が集まれるよう居間・食堂の中心に長さ3.8mの桧の大テーブルを配置した。居間・食堂は木製サッシュを全て開けると庭のデッキと一体になり、さらに吹抜けからは2階の子供室に繋がり、水平にも垂直にも抜けができる。2階の子供室は4人兄弟のための大きなひとつの部屋とし、1階は空間を建具で仕切り、開ければ繋がる回遊性のあるプランである。家全体が家族の変化に対応していく、おおらかな空間である。
仕上げには自然素材の塗壁や和紙を使い、住まい手と一緒に施工した。家づくりの記憶が家族の中に残り、住まいに愛着を感じ、大切にすることで素材が長持ちし、使い込まれて自然と家族の味が出て風格も現れてくるだろう。
環境に優しく、心地良さが持続するような住まいを目指した。

上野芝町の家

敷地は、時代の流れにより小割な区画へと変わりつつある街の中で偶然にも大きな区画で残された場所である。前面道路の幅員は3.6mと狭く建物や木々が道路に迫り圧迫感がある一方、敷地に一歩入ると、大きな空が広がる伸びやかな場所であった。
道路に対して建物を平屋とすることで圧迫感をなくして街に対して優しく建つようイメージし、アプローチ空間をそこに生まれた軒下空間に包むことで外部でありながらもプライベート性の高い、街と適度に距離を持った場所となるよう意図した。また、庭を各所に配置して緑を見ながら散歩できるような空間構成とし、吹抜けのある食堂に入ると高窓から障子を通した柔らかい光が差し込み、軒の深いテラスを通して視線が南庭に繋がる変化に富んだ豊かな空間となるよう計画した。生活空間は1階中央の東西に長い2間分のスペースにおさめ、そこから南に一間分のスペースは広い軒下空間である。ここはサンルームやテラス、家事コーナーとして使える付属的な場所であるが、生活空間と明るく広い南の庭との間の余白としてここに在ることで、生活空間を穏やかで豊かな空間へと変化させている。

MESSAGE メッセージ

敷地や環境、ライフスタイル、コスト等 住まいに対する条件はさまざまです。
住まい手と対話を積重ねながら計画を進め、住まい手の思いを形に表現していきます。
その時、日本風土特有の四季を光、風と共に取り込み、暮らしの中で感じることができれば、住みやすく、ここちよい住まいになると思います。
自然と上手に共生してゆく住まいづくりを心掛けています。