PROFILE 建築家プロフィール

奥和田 健

奥和田 健

Takeshi Okuwada

所属
奥和田健建築設計事務所
所在地
〒543−0051 大阪市天王寺区四天王寺2−5−4
TEL
06−7506−2677
HP
https://okuwada.com/
経歴
1970年 奈良生まれ
1983年 実家の離れの自室で洋楽を聴き始める
1988年 国立奈良高専 高等課程 修了
1989年 クラブミュージックに没頭
1992年 アルバイト先のバーで美術とデザインを教わる
1994年 建築書籍のアーカイブを読む日々が始まる
1995年 設計事務所 勤務
2004年 奥和田健 建築設計事務所 設立

2020年 International Design Awards(アメリカ)銅賞|作品:仁川の住宅
2021年 A' Design Award(イタリア)銀賞|作品:mook salon

W0RKS 実績紹介

十七月の住居

敷地周辺は起伏に富んだ街並みで、それぞれが特徴的な形状を持ちながら、家が連なり、街が形成されていた。

建主は、その住宅地の頂部にある敷地を購入し、私に連絡をくれた。
敷地を歩くと、前面道路から奥に向かうほど、段々と北側に飛び出していく、個性的な平面形状。南側の隣地は、当該敷地より標高が高く、背も高い建物が建っていて、建主の敷地への採光に工夫が必要であった。さらに、隣地擁壁の間知石が、建主の敷地内に入り込んでいた為、それらを建築的に処理する表現が求められた。

建主は単身。
生活の中で他の人に気を遣う必要もなく、空間を大きなワンルームで構築することができる。
ただ、友人を招き食事もするパブリックエリアと、睡眠や入浴をするプライベートエリアは、少し離したいという気持ちも存在した。
南側隣地の標高が高かったこともあり、中庭をスリット状の平面形状にし、住宅内外に光を届けるバイパスとして機能させ、先の住要素を緩やかに繋ぐことを試みた。

Tの家

練馬区と豊島区と板橋区の接するエリア。
この敷地に長年住まれた親世帯と子世帯が、共に暮らす新しい住居。
親世帯は将来的に賃貸へも転用できること。隣地には親族も暮らされているので、繋がりを持った動線であること。子世帯の小さな職場もつくること。敷地の特性を活かした計画などが求められた。

敷地を歩くと、中央から北側へと抜けがあり、少し向こうの緑道の雰囲気が伝わってくる。
直接歩行し通り抜けるには権利の問題が発生するが、空間として北側の隣地そして緑道とつなげ、この地域の都市風景を建築に取り込み住居を構築するのが良いのではと考えた。

親世帯と、子世帯を敷地の中で配置し、互いに少し距離を開け、北側へ抜けるコンコースのような外部のメイン通路としながら、住居へもコンコースからアプローチできるように考えた。
緑が広がる裏側へ出て、屋外階段を上がると、屋上へ直接アクセスできる。

屋上には、ペントハウスのような「はなれ」をつくり、そこを小さな職場とした。屋上からは住居へも入ることが出来て。室内の階段を使い1階へと降りれば、中央のコンコースへと出られる構成。

コンコースと屋外階段そして屋上の通路と住居とはなれ。
これらの移動時に、すこし立ち止まり話をしたり、地域の都市風景を感じとれる。
住居に「移動と滞留」の場を組み込む試み。

仁川の住宅

敷地は、住宅が連なる丘陵地の、ほぼ頂上付近にあった。
六甲や甲山へ続く道には、週末になると山登りへと向かう人も多く、静寂を住居に取り入れる為に、パブリック要素の高い外部と、穏やかになるであろう内部の間に、2重の外皮からなる中間層を設けた。
外皮は2重(ダブルスキン)になっていて、その間を光や雨そして風が通る。
この建築に入る、僅か1秒の間に存在する「空」を感じとる。

MESSAGE メッセージ

暮らしの中の背景となる根本的な美しさ、そのディテールを細かなところまで考え、同時に時代と社会を見つめながら、空間が存在する意味を問い続ける。

MASTERPIECE 代表作

十七月の住居