PROFILE 建築家プロフィール

大江 泰輔

大江 泰輔

Taisuke Oe

所属
マニエラ建築設計事務所
所在地
〒662-0067 西宮市深谷町11-14
TEL
0798-71-2802
FAX
0798-71-2670
Mail
maniera@maniera.co.jp
HP
https://www.maniera.co.jp/
経歴
(経歴)
1995年 大阪芸術大学 芸術学部 建築学科 卒業
1996年 狩野忠正建築研究所 入社
1997年 ミラノ工科大学 終了
1998年 ARCHTETTO BEPPE FACENTE 入社
2001年 アルファリビング 入社
2002年 マニエラ建築設計事務所 入社
 
(受賞)
2024 第15回くすのき建築文化賞(2024)
   「House with boulevard tree」 
2023 第15回 建築人賞2023 (佳作) 「MASSIVE」
2022 第14回 建築人賞2022 (奨励賞)「山芦屋の家」
2021 第13回 建築人賞2021 「LIGHT FALLING」
2020 第39回三重県建築賞 三重県知事賞(住宅部門) 
    「羽所町の家(Trans mit)」
    芦屋市都市景観賞 受賞作品 「LATTICE HOUSE」
    (あしやインフォメーション May.2020 vol.1265 p.7 掲載)
    第16回モダンリビング審査員特別賞 「Transmit」
2019 第15回関西建築家大賞受賞 受賞作品 
   「深谷山荘」「PORT HOUSE」
    (住宅特集2019年12月号p156 掲載)
2018 公益社団法人 大阪府建築士会主催 第11回建築人賞佳作 
    「a twigs house」 (建築人2018年3月号掲載)
    JIA住宅部会賞2018 「a twigs house」
    建築人賞2018 「Frame」
2017 ベスト・オブ・ハウズ 2017(デザイン賞)
    第9回建築人賞2017 (佳作) 「SLIT」
    第12回 くすのき建築文化賞 2017(佳作) 
   「VIEW house」
    第2回きのくに建築賞 建築三団体まちづくり協議会
   「あきば何求庵」
    住まいの環境デザインアワード2018
    モダンリビング賞(入賞)「3 Gardens House」
2016 モダンリビング大賞 2016 特別賞 「宝塚の家」
    インテリアプランニング賞 2016 優秀賞
   「Guest house」
    インテリアプランニング賞 2016 入賞 「STONE PATIO」
    インテリアプランニング賞 2016 入賞 「宝塚中山の家」
    建築人賞 2016  佳作  「LIGHT SCREEN」
    サンワカンパニーデザインアワード 2016
    カテゴリー部門 リビング賞  「VIEW SKY」
    尼崎パーキング設計コンペティション2016  入選  
   「AMA terrace」
    日本建築家協会 優秀建築選 2016 受賞 「松福荘」
2015 第7回建築人賞入選 2015 「夙川の家」
    JIA建築年鑑2015 日本建築家協会優秀建築選 受賞
   「深谷山荘」
2014 日事連建築賞 2014 優秀賞
   「深谷山荘-FUKATANISANNSOU」
    第6回建築人賞 2014 奨励賞
   「深谷山荘-FUKATANISANNSOU」
    第2回家づくり大賞 2014 素材ディテール賞
   「観竹荘-KANCHIKUSOU」

W0RKS 実績紹介

深谷山荘

深谷山荘は阪急夙川駅から15分ほどのところに位置している。
阪急夙川駅周辺は苦楽園や芦屋と共に、六甲の自然と共生する緑豊かな住環境を形成している。
敷地は住宅街の中、小高い山の中腹に位置する。
道路から10mほど敷地が高く、夙川の風景が一望できる。
この眺望を最大限取り入れ、周囲の自然の中にいることが感じられる空間を目指した。

コンクリートの壁が中へと導くように建物を貫通して設けられている。
コンクリート壁の廻りはガラスで玄関から内部を超えて裏の自然と一体化することを意図する。
空中を登るように階段周りもガラスで外部との境を形成する。
1階にプライバシーを確保するため、寝室や子供室などの個室と洗面浴室を配置。
眺望を獲得する2階は大きなワンルームとすることで内部も広がりを持たせている。
崖地条例により、道路から30°のところまで基礎が必要とされ、
大きなコンクリートの塊が斜面に建つ建物をしっかりと支えている。
玄関からの視線の抜けと2階の眺望を獲得するためにあまり目立たないが、
内の広がりから、デッキを介して外の六甲や夙川の風景を含め、壮大な広がりを感じることができる。
2階のワンルームから眺望を妨げないよう、出隅角はすべてガラスとし、柱をなくしている。
120*360の梁を抱き合わせ・合成梁を多用し、構造的にはかなりアクロバットな形状となった。
また全体的に音楽や空調、照明、ブラインドをスマートフォンなどで操作できるように、
IRケーブルで機器同士をつなげ、リビングの家具内に機器を全て集約している。
プロジェクターとスクリーンを利用すれば、2階はくつろぎのシアターへと変貌する。

MASSIVE

西宮夙川地域は夙川河川敷に松・桜の木々が立ち並び、日本さくら名所100選にも選ばれる場所である。
北に六甲山・甲山を望む本計画地は、阪急線夙川駅から徒歩6分の阪神間屈指の住宅地で、多くの財界人・文豪の邸宅や外国企業の社宅が建ち並ぶモダンで美しい街並みが形成された地域にある。
敷地は北側を道路に面し、南西に向かって最大高低差6m超という傾斜地であった。高さ制限10mの敷地に三層の建築、更に天井高さを出来るだけ高く確保したいというクライアントの要望もあり、この高低差と平均地盤の攻略が今回の計画のキーポイントとなった。土地購入前に既存の建物を解体したことにより、その当時の敷地レベルより場所によっては2m程度地盤が下がっており、そのままでは天井高の確保どころか地上3階建ても難しくなってしまう事から、現場の痕跡により当時の地盤面を図面上に復元する作業からスタートした。建物形状は、間口10m×奥行12.5mの長方形キューブにPHを載せたRC3階建ての重厚感・重量感のある形状である。
1階をクライアントの会社で使用するオフィス、2・3・R階をオーナー住居という計画であるが、2階のワンフロアを将来賃貸する可能性があった事から、将来の改変が可能な構造、プランニングと、将来プランに合わせた設備配管の計画も慎重に行った。
1階は南北に1室ずつオフィス室が並び、トイレ・キッチンなどの水回りを併設している。南と西が完全に地下に埋まってしまうため、南の室にはドライエリアを設ける事で自然採光・換気が取れるよう配慮した。北側の室は床下げを行い3m超の天井高を確保した事で当初の要望であったゴルフ室としての使用も可能である。
2階は南北に抜ける中廊下の両側に家族4人とゲストのための寝室、風呂・トイレを設けている。間仕切りを一部取り壊し、キッチンを設置する事で比較的容易に賃貸へのプラン変更が可能となっている。
3階は家族全員が集う広々としたLDKとなっている。北側に設けた大開口サッシからは、甲山を中心とした六甲の山々が眼前に広がり、空間にさらなる解放感を与えている。 
外観はこの大開口サッシの四周をぐるっと囲う様に設置した、1.1mはね出すアルミパネルと、東側外壁 とガレージに採用した表情の違う二種類の杉化粧型枠の凹凸感ある仕上げを採用する事で、外観に陰影によるアクセントを与えている。今回クライアントの会社による自社施工であったが、設計と施工が一枚岩となり意欲的な作品となった。

House with boulevard tree

敷地南側の前面道路は並木道となっており、本計画において敷地内の造園計画と連続するようにと計画した。建物の外観はグレーの吹付塗装と木地色の板張り仕上げで統一している。
外観のグレーは植栽群をさらに引き立てることができ、木地色の板張りは温かみのある表情を生み出している。
下屋を同じレベルで統一させることで、一体感があり奥行き感を持たせ、軒先は出来るだけ先端をシャープに見せるため内樋とし、浮遊感を演出した。
塀を越えると、庭園に挟まれた奥行のあるアプローチが来客を迎えてくれる。
玄関は南北の緑がつながる、ゆったりとした抜けのある空間となっており、ホールは東西のガレージとリビングを伸びやかに繋げる計画とした。
LDKには大きな吹き抜けが南側のテラスに向かって開放的に設けており、庭の植栽群と奥にたつ並木林が一体感を味わえる空間となっている。
離れの茶室はLDKに隣接して設けるのではなく、廊下を介することで和と洋の中間領域を設けた。
南東庭に囲まれた茶室は落ち着きのある空間で、日々の疲れを癒すことができる場である。
2階は廊下を中心に居室を配置することでご家族間のプライバシーに配慮しつつ過ごしやすい計画とした。その上で天井の垂木が繊細で規則的に配置されていることにより、統一感のある空間になるよう意識し、また子供室と主寝室はハイサイドのFIX窓で仕切り、抜け感を演出している。
浴室、洗面室はホテルのようなゆったりとした空間となっており、乾燥室から衣装室への動線も考慮した。
ご家族は、時の流れと共に安らぎと憩いのある至福の人生を楽しみ、この建築・風景と共に時を重ね、記憶が積み重なっていくことであろう。

MESSAGE メッセージ

ものがある
ものはさまざまな“意味”を持ちます。
ある人には意味のあるものが、他の人にはそうでなく、またある時には意味のあるものが、他の時には意味がない。
しかし、それは人の要求を基準とした“意味”だと言えるでしょう。
私たちが求めているのは、もの自体を基準としたときに生まれてくる““意味”。
建築・インテリア・ランドスケープを通し、景観の良い散策をしたくなるような街並みを、
人の心になじめ、またときめきを感じられるインテリアを・・・。
<もの・いみ・ひと>の関係を考え、目に見え、肌にふれるものを持つことを大切に、
こだわりなく、しかもこだわりをもち、現代の暮らしを提供してまいります。

MASTERPIECE 代表作

2012年 「深谷山荘」
2022年 「MASSIVE」
2024年 「House with boulevard tree」